気がつくと、社会人になって10年が過ぎていた。
振り返ってみると、嵐のような・・・、
世間知らずの自分が、少し世間を知るようになった10年だった。
20代の新人社会人だった頃
24歳で社会に出たとき、人見知りで人付き合いが苦手な私は、とても苦労した。
会社の昼休みに昼食を同僚と一緒に食べる時間が苦痛で、一人トイレに隠れて時間を潰していた。
毎日、胃がキリキリ痛んで、精神的にも肉体的にも追い詰められていった。
結局、最初の会社は3年を待たずに逃げ出すように辞めた。
そんな自分も、運良く次の会社に入ることができ、心機一転、新しい人間関係の中で、がんばろうと決めた。
でも、その職場も1年で辞めてしまった。
理由は、連日の残業で肉体的に厳しくなったこと。
周囲の人たちは親切で嫌な人はいなかったのに、連日、午前0時を回る帰宅に肉体が耐えられなくなってしまった。
今でも忘れられない思い出
1年で退職する自分に、同じ職場の人たちは送別会を開いてくれた。
送別会で、涙を流してくれた女性がいた。
パートで働く女性で、自分の「優しさや思いやりの心にもう触れられなくなることが寂しい」と言ってくれた。
自分はこの一言に救われた。
自分がいなくなることを寂しく思ってくれる人がいるということが、この上なく嬉しく切なかった。
生まれて初めて自分のために涙を流してくれた女性だった。
30代の中堅社会人の頃
次に就職した会社で、今も働き続けている。
今年でもう7年になる。自分にしてはよく続いていると思う。
前職で自分のために泣いてくれた女性に顔向けできる日がくるように、と思って辛くなってもがんばれる。
そして、今の職場でも多くの人に支えられて、なんとか日々生きてる感じだ。
10年を振り返って
24歳で就職した私は、気がつけば34歳になり、まもなく35歳の誕生日を迎える。
嵐のように過ぎ去った10年間で、駆け抜けた後に振り向けば10年を置き去りにしていたという感覚・・・。
それでも、思えば多くの心ある人達に支えられて、この10年生き延びさせてもらったと思う。
おそらく次の10年も同じように過ぎていくのかもしれない。そして、もうその10年は始まっている。
社会人最初の10年は、本当に本当にかけがえのない貴重な経験をさせてもらったから、
次の10年は、こんな自分でも人の支えになれるんだと、少しの自信を持ちながら生きていこう。
次は、「ため息で通勤した道」。
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