人間にとって水は命。
私はきれいな湧き水を見ると、思わず「命の水・・・」とつぶやいてしまいます。
人間の体の7割は水ですから、体の水を良い水に入れ替えれば全身が一気に健康に向かいます。水道水は塩素という毒が含まれているので、飲み続けるといずれ病気になってしまいます。市販のミネラルウォーターも基準が甘いので水道水より危険かもしれません。水はやはり本当に安心安全で質の良い天然水を選ぶことが重要です。
私は関西に住んでいるので、関西圏の湧き水は知り尽くしています。
その中でも、水量が豊富で水質が良い天然水が手に入る水場を厳選したので紹介します。
紹介する湧き水の中には、万病が治るなど様々な言い伝えがあるものもいくつかあります。
水量、水質、水温、時間などの項目を評価してランキング形式にしていますが、水質については私が実際に飲んでの独断で水温なども参考にしながら評価しています。水温は、冷たいほど地下深くからの湧き水ということで水質の良さの参考になりますので。
時間は、待ち時間の長さを評価しています(★が多い程待ち時間が少ないということです)。
行列ができていて汲むまでにやたらと時間がかかる場所があったりしますので参考までに。
料金が必要な場合も合わせて記載しています。
とにかく水は命です。多くの水場を知っていることは非常時の断水時などにも役立ちますが、何よりも日常的に綺麗な水を飲むために多くの採水場を知っていることが重要でしょう。
1位:野中の清水
認定:日本名水百選(環境省)
水量:★★★★★
水質:★★★★★
時間:★★★★★
水温:15℃
料金:無料
アクセス:車で接近可能、Googleマップで「野中の清水」と入力
熊野古道中辺路の中間地点あたりにある水場で、「日本の名水百選」にも選ばれています。
中辺路をお遍路される方はぜひ立ち寄ってみてください。
私は、中辺路の起点である滝尻王子から熊野本宮大社まで往復した時に、とてもお世話になった場所です。
この場所がなければ干からびて死んでいたかもしれなかった、まさに命の水です。
大きなエメラルドブルーの水たまりからごうごうと流れ出る豊富な水量に圧倒されます。
毎日50~200tも湧出しているらしく、その大きな水たまりは圧巻です。
水は自由に汲むことができて料金もかかりません。
地元の方が管理してくださっていることに感謝しながら、ありがたくいただきましょう。
2位:ごろごろ水
認定:日本名水百選(環境省)、水の郷34選(国土交通省)、やまとの水(奈良県)
水量:★★★★★
水質:★★★★★
時間:★★★☆☆
水温:10~12℃
料金:500円
アクセス:駐車場あり、Googleマップで「ごろごろ水採水場」と入力
関西では有名な「ごろごろ水」は奈良県天川村の鍾乳洞(五代松鍾乳洞付近の石灰岩相)から湧き出る天然水です。
鍾乳洞からごろごろと水の音が聞こえてくるという逸話から、ごろごろ水と呼ばれています。
とても冷たいのが特徴で、さすが鍾乳洞からの湧き水です。
天川村全体でいたるところから湧き水が出ていますが、汲むことが許可されているのはこの場所だけです。
水汲み場がしっかりと設置されているので、紹介する中では唯一有料なのですが500円でいくらでも汲むことができます。
連休中などで駐車場がいっぱいのときは汲むまでに時間がかかることがありますが、平日であれば待ち時間はありません。
3位:祈りの滝の湧水
認定:やまとの水(奈良県)
水量:★★★☆☆
水質:★★★★☆
時間:★★☆☆☆
水温:15℃程度
料金:任意(100円以上と書かれています)
アクセス:車で接近可能、Googleマップで「祈りの滝」と入力
祈りの滝の湧水は、大阪の金剛山と大和葛城山の中間にある水越峠近くにある地下深くから汲み上げている天然水で、祈りの滝という大きめの滝が傍にあります。
水越峠は水が豊富で、大和葛城山からごうごうと流れる美しい水や金剛山登山口付近には「金剛の水」という湧き水も出ています。
土日祝日になると多くの人が車で水を汲みに来ているので、時間帯によっては水を汲むのを待たされます
日によって湧出量に差があり安定しませんが、水質はかなりのものだと思います。
4位:秋葉の水
認定:無し
水量:★★★☆☆
水質:★★★★☆
時間:★★★★☆
水温:12.5℃
料金:無料
アクセス:車で接近可能、Googleマップで「秋葉の水」と入力
滋賀県は日本の水がめである琵琶湖があるので水場が豊富ですが、その中でも秋葉の水は比良山系の阿弥陀山(あみだやま)を水源としており水質が良いです。
滋賀県高島市は、昔から「川端(かばた)」と呼ばれる湧き水を利用した水の文化がありますね。
比良山系に降った雪や雨が伏流水となり各家庭から非常に綺麗な水が湧き出て、この湧き水を飲料や炊事などの日常生活に利用するのが川端です。
地元の方が管理されているので、迷惑にならないよう取水させてもらいましょう。
5位:果無の水
認定:無し
水量:★★★☆☆
水質:★★★★★
時間:★★★★☆
水温:10℃程度
料金:無料
アクセス:車で接近可能、Googleマップで「果無(はてなし)の水」と入力
熊野古道小辺路(こへち)の最後の難関である果無山脈を水源とするこの地下水はとても冷たく清らかです。熊野本宮大社へ続く熊野古道近くの神聖な水で、地元の人も観光客も時々汲みに来ています。水量がまあまああるので待ち時間はほぼありません。
6位:観音峯山・観音の水
認定:無し
水量:★☆☆☆☆
水質:★★★★★
時間:★★★★★
水温:10℃程度
料金:無料
アクセス:観音峰山登山口から登山道を徒歩20分
観音の水は奈良県天川村の観音峰山の登山道にある湧き水です。
観音峯山の下流は、美しい水で有名な「みたらい渓谷」です。
観音の水の特徴は、なんといっても冷たいということです。
真夏でも冷たすぎて手を洗っていると痺れてきます。
少し登らないと飲めないのでたくさん汲んで持って帰ることはできませんが、おいしい水なので登山して飲みに行く価値は十分あるかと思います。
7位:権現山登山口の水
認定:無し
水量:★★★☆☆
水質:★★★★☆
時間:★★★★★
水温:10℃程度
料金:無料
登山道には湧き水がよくありますが、関西の山々は知り尽くしているので登山道にある湧き水もほぼ把握しています。
その中でも、先ほどの観音の水はしばらく登らないと飲めませんが、こちらは登山口から50m程行ったところにありますので登山をしなくても飲めます。
観音の水のように名称こそありませんが、観音の水と同じくらい冷たく、質の良い天然水です。
アクセスはGoogleマップには出てきませんので以下の地図を参照してください。
8位:薬水
認定:無し
水量:★★☆☆☆
水質:★★★★★
時間:★★★★☆
水温:20℃
料金:無料
アクセス:大神神社駐車場から徒歩10分
奈良県桜井市の大神神社(おおみわじんじゃ)を通り抜けた先にある狭井神社(さいじんじゃ)、その境内にある薬井戸から薬水を汲むことができます。大神神社からのルートが分かりにくいですが、左へ左へと進んでいけば行けます。
大神神社の境内にある「くすり道」を探してください。そこから狭井神社へ。
狭井神社の向かって左奥へ。
下のボタンを押すと水がでる仕組みです。
その名の通り、薬のように病気が治ると言われているおいしい水で、持病のある人は飲んでみてください。
ただ、大量に汲んで持って帰ることができないので定期的に飲むことは難しいかもしれません。
さらに一度枯れたことがあって汲むことができない時期がありました。
水温はかなり高めで、真夏に飲むとヌルイと感じる程です。
ランキングの中では唯一、車で近くまでアクセスできないことが難点です。
9位:京見峠の水「杉坂の船水」
認定:無し
水量:★★★☆☆
水質:★★★☆☆
時間:★★☆☆☆
水温:15℃
料金:無料
京都の北の山奥、京見峠を越えて少し下ったところにある湧き水です。冷たいので地下深いところからの水であることがうかがえます。休みの日にはポリタンクでたくさん汲んでいく人もいるので待ち時間が必要な時が多いです。水はかなりおいしいです。
10位:冬野の名水
認定:無し
水量:★★☆☆☆
水質:★★★★☆
時間:★★★★★
水温:15℃
料金:無料
ここはもともと冬野集落の住民の人が使っていたようですが、現在は冬野集落にはだれも住んでいる気配がなく、集落全体が猪対策の電気柵で囲われています。これはおそらく集落内の民家が泥棒などに荒らされないよう設置されたものと思われますが、集落にアクセスすることができません。この水に有りつくには多武峯(とおのみね)から1km程度の登山が必要です。そしてここを通り過ぎると冬野の集落に入る唯一の入り口があります。
私がこの場所に訪れた時、数時間は誰にも会いませんでした。それでも誰かが管理しているのか、荒れている様子はありませんでした。水はまあまあ冷たくて美味しいです。
11位:山比古湧水
認定:平成の名水百選(環境省)
水量:★★★★☆
水質:★★☆☆☆
時間:★★★★★
水温:20℃
料金:無料
アクセス:車で接近可能、Googleマップで「山比古湧水」と入力
鈴鹿山系の山裾宇曽川の源流にほど近く湖東流紋岩帯(秦荘石英紋岩)を通って出ています。
「煮沸して飲んでください」と注意書きがありますので水質は最高ランクではありませんが、私は煮沸せず飲んでいて問題ありません。
ときどき水を汲みに来る人はいますが、待つことはありません。
12位:弘法の井戸
認定:無し
水量:★★☆☆☆
水質:★★☆☆☆
時間:★☆☆☆☆
水温:20℃
料金:任意
アクセス:車で接近可能、Googleマップに出てこないので場所を見つけるのが難しい
弘法大師の空海からこの場所に井戸を掘るように言われ、掘ってみると豊富な水が出てきたという言い伝えがある井戸です
井戸自体には十分な水が溜まっていますが、水汲み場所は蛇口から汲むようになっており、汲みに来る人もまあまあ多いので時間はかかります。
水質の点では煮沸しなくても問題はありませんが、水温は年中20℃近くになっており、あまり深いところからの水ではないことがわかります。
逆に真冬でも水温20℃を保っているので水汲み時に冷たくないというメリットもあります。
地元の人の話では過去に1度、枯れたことがあるらしいです。
番外編
飲料水とは違いますが、水の綺麗なオススメの場所を紹介します。
前鬼・不動七重の滝
場所:奈良県吉野郡下北山村
この前鬼と呼ばれる変わった地名の場所は水が極めて美しく、前鬼にある「不動七重の滝」周辺は前鬼ブルーと呼ばれる美しい水が流れています。
この辺りに流れている水は、私は普通に飲んでいます。
さいごに
水汲み場の多くは地元の方が管理しておられるので、地元民以外の人が利用する場合はルールやマナーを守る事が必須です。
水と管理者への感謝の気持ちを忘れることなく、利用させてもらいましょう。
次は、火の活用について。
コメント