驚くほど簡単に作れる梅干し
簡単に作れて栄養満点、保存食にもなる最高の食べ物は「梅干し」と「干し柿」です。
どちらも「干す」という昔ながらの保存食の知恵が詰まっていて、作ってみるとあまりにも簡単にできて、なぜもっと早く作らなかったのだろうと思います。
特に梅干しは市販のものが農薬漬けの梅だったり精製塩を使っていたりで買うに値しないものが多いので、自分で作るといいものができます。
ホントに簡単に作れてしまうのでぜひ作ってみてください。
梅干しの栄養
クエン酸などの有機酸
・クエン酸
・リンゴ酸
・コハク酸
・酒石酸
・ピルビン酸
・ピクリン酸
これら有機酸のなかでも特に注目すべきは「クエン酸」です。
現代人はパンや肉などの食生活で体が酸性に傾きがちで、ガンなどの患者の体液は酸性になっています。これを弱アルカリ性の健康体に戻すことができるのが唯一、クエン酸なのです。
その他、クエン酸は唾液の分泌を促し、胃液や消化酵素の分泌を高めて消化吸収を助けてくれたり、新陳代謝を促し体の老廃物を排泄してくれるデトックス効果も高く、さらに、殺菌作用もあるので食中毒予防などにも効果があります。
かつて日本医師会の会長は、「クエン酸が世の中に広まったら、医者も病院も薬屋も廃業する。」と言ったという逸話があります。
原因不明の体調不良に悩んでいる方は病院に行く前にとりあえずクエン酸を取ってみてください。
クエン酸以外にも、ピルビン酸は肝機能を強化してくれたり、ピクリン酸は腸の働きを活発にし、便秘解消に効果を発揮します。
このようなクエン酸をはじめとする多くの有機酸を含む梅干しは万能薬と呼ばれているのがよくわかりますね。1日1粒食べれば病気知らずで生きられます。
ミネラル類
・カルシウム
・カリウム
・リン
・鉄分
現代人のミネラル不足は深刻ですが、梅干しにはミネラルも豊富に含まれています。カルシウムや鉄分は他の果物と比べてもたくさん含まれています。
私は梅干しを毎日食べるようになって、体のダルさが全くなくなりました。この驚異的な梅干しパワーをぜひ体感しましょう。その効果を得られる無農薬梅を天然塩で漬けたホンモノの梅干しを自作する方法をご紹介します。
梅干しの作り方
1.準備
・無農薬の梅
・天然塩
・赤ジソ(あれば)
・漬物容器
・重石
プラスチックの保存容器などは有害物質が溶出する危険性がありますので安心できる陶器で、しかも遠赤外線効果でまろやかな味に仕上がる森修焼がオススメです。森修焼はとても高価ですが、それだけの価値があるので愛用しています。
2.梅の収穫
毎年5月末から自然に落ちてくる梅を拾って収穫していきます。梅雨になる前に収穫した梅は「青梅」で熟していませんが、青梅で作ると皮の厚みで弾力性を感じられる梅干しになります。
下の写真は5月中旬ごろの梅。まだまだ収穫には早く、熟すと自然に落ちてきますのでじっくり待ちます。
5月下旬頃になると下の写真のようにたわわに実ります。
5月下旬になると熟す前の青梅でも少しずつ落ちてきますので拾い集めます。
下の写真は5月末に収穫した青梅(熟していない梅)です。
上の写真は普通サイズの梅ですが、5月下旬は小梅の最盛期です。カリカリの小さい梅干しになる小梅は普通の梅より早く熟して収穫できます。下の写真は同じ時期の小梅ですが、上の写真より熟して黄色くなっている梅が多いのがわかります。
普通サイズの梅が熟すと下のようになります。
収穫したての梅はとてもいい匂いで食べたくなるのですが、生の梅にはアミグダリンという物質が含まれており、これが体内で分解されると有害な青酸が生じます。ですので梅の生食は厳禁です。
3.梅を洗う
収穫した梅を綺麗に洗います。
その後、青梅をそのまま梅干しにする場合は、3~4時間水に漬けてアク抜きします。
しかし一般的には梅干しには完熟した梅を用いますので、2~3日放置して追熟させます。
下の写真は6月上旬に収穫した梅です。
まだまだ青いので少し放置して追熟させてみると、少しずつ黄色くなってきます。
完熟した梅はアク抜き不要です。
下のような梅のヘタを取りましょう。
梅を洗った後、塩漬けにする前にはカビないようにしっかり水分をふき取ります。そのとき水分がしっかり飛ぶようにヘタを取りましょう。
4.塩漬けにする
綺麗に洗って乾かした梅を、容器に入れて塩を振りかけます。
上の写真は以下の重量です。
天然塩:500g(1袋)→このうち使用するのは150g程度が一般的
森修焼容器+重石
塩の分量は梅1kgに対して塩200g程度が一般的ですが、私は梅がカビて失敗しないよう多めの塩を使っています。天然塩は多めに摂取しても高血圧にもなりませんし体に悪影響はありません。摂りすぎても体からしっかり排泄されます。
まず容器に塩を敷き詰めてから梅を入れていきます。
その上からパラパラと塩を振りかけていきます。
一番上に多めの塩を振りかけます。
最後に重石を乗せます。
蓋をして完成です。この後は梅酢が上がってくるまで2~3日放置します。
5.赤ジソ投入
塩で埋めて2~3日経つと梅酢が出てきます。
梅酢は無色透明です。
カビが酷いと梅酢の色まで濁りますのでその場合はやり直した方がよいでしょう。
下の写真は青梅の小梅です。青梅を塩漬けにすると梅酢が出にくく皺のある梅干しになります。
下の写真は熟した梅を塩漬けにしてた様子です。上の青梅と違ってしっとりと梅酢に浸ります。下の写真のように梅干しが完全に無色透明な梅酢に浸ってしまえばカビの心配はなくなります。ここに達するまでにカビが発生することは多々ありますので、その都度カビを取り除いてください。
梅酢がでてきて1~2週間したら赤ジソを入れましょう。 赤ジソは殺菌効果があり保存性を高め、梅干しに赤い色を付けてくれます。
(個人的には赤ジソで赤くした梅より、黄色いままのほうがおいしそうに見えますが。)
赤ジソを入れて一日経つと、赤い色素が出てきます。
赤ジソを水に浸すだけではこのような色素は出てきません。
梅酢に浸すからですね。
下の写真は赤ジソの芽です。青ジソとは違って新芽から赤みがある色をしています。
青ジソはしっかり成長するのですが、なぜか赤ジソは育てるのが難しく、例年あまり大きくなりません。芽を出すのも青ジソより遅く、5月中旬から下旬くらいです。
小さな葉を少し入れるとしっかり梅干しが赤く着色されますので、あまりたくさん必要ありませんが。
6.数週間放置
7月まで数週間放置することになりますが、梅酢が出てきて梅干しが柔らかくなり、カサが減ってきますので追加投入OKです。
追加で梅を入れる場合は完熟した梅を梅酢に浸るように投入してください。
7.天日干し
天気の良い日に3日間天日干しすれば一般的な梅干しの完成です。
天日干し前の梅は下の写真です。
赤ジソをたくさん入れれば、より赤い梅酢と梅干しになっています。
一粒ずつ竹箸で取り出し、竹ザルに並べていきます。
一日毎に裏返して全体に日光が当たるようにします。
1日干すと下の写真のように塩が浮いてきます。
2日目になると梅干しっぽく乾燥してシワも付いてきます。
無事、3日間天日に干されれば、梅酢の水分が程よく抜けて完成です。
天日干ししなくても食べられますし梅酢に浸っていた方がしっとりしていておいしいですが、日光に当てた方が栄養素のビタミンDなどが増えるので、やはり天日干しした方が良い梅干しができますね。
8.保存方法
数百年前に作られた梅干しが現在でもまだ食べられるという程、しっかり作られた梅干しは昔から最高の保存食でした。おそらく冷暗所で保存すれば数百年は保存できます。
下の写真は天日干し後1年間、容器に入れて夏場かなり蒸し暑くなる部屋に放置しておいた梅干しですが、しっかり品質を保っています。梅干しの上に見える水分は梅酢です。梅酢も1年前からこの状態を保っています。
この1年物梅干しを始めて食べたとき、本物の梅干しを食べた気がして感動しました。しっとりとした舌触りでとげとげしくないまろやかな辛さと酸っぱさが口に広がって、「おいしい!」と思いました。
9.まとめ
結局、「梅を収穫してきて塩に漬けて放置する」だけで素人でも簡単に梅干しができてしまいます。赤ジソがなくても、天日干ししなくても、重石がなくても、梅干しは作れます。私は赤ジソなしの黄色い梅干しを天日干しせず梅酢に浸ったまま食べるのがお気に入りです。
一度作ってみて自分に合った作り方と食べ方を試してみてください。
梅酢の活用
梅干しはもちろんですが、作る過程で出てきた梅酢も保存が効いてとても重宝します。
もちろんクエン酸などの有機酸も豊富に含まれています。
私は6月に仕込んだ梅干しからできる梅酢を1年かけて断食中にお湯で割って飲むようにしています。
塩分も取れてミネラル満点、梅酢断食はオススメです。
砂糖を使った酵素ドリンクで断食をしている方は一度梅酢をお試しください。
梅の木栽培日記
梅干しの種を植える
無農薬の梅を手に入れるために自分で梅の木を育てています。
「桃栗三年柿八年、梅は酸いとて十三年」と言われるように、梅は種を蒔いてから実をつけるまで10年以上もかかります。
芽が出てきた
10年前、梅干しの種を植えておいたら芽が出てきました。
蕾ができた
その後、ニョキニョキと成長した梅の木は、
8年目でようやく花のつぼみができました(2019年2月末)。
2019年、開花
蕾ができたその1週間後、ついに開花!
感動で泣きそうになりました。
ついに梅の実をつけてくれるのでしょうか。
ミツバチさん、受粉がんばってください。
灰を蒔く
下の写真のように、灰と炭を根本に施肥してからとても成長の勢いがついてきました。
「花咲かじいさん」のお話を思い出しました。
4月になり、葉が付き始めました。初めての葉は下の方から少しずつ出てきました。
2019年、実をつけた!
5月に入り、ついに一つ梅の実をつけました。
この梅で今年は梅干しをつくります。
2019年冬、剪定
「桜切るバカ、梅切らぬバカ」と言われるように、梅はしっかり剪定してやる必要があります。
枝が交錯して栄養分が分散されてしまうからです。
切る時期は11月か12月の新月期が木を弱らせないので適しています。
剪定には徒長枝と呼ばれる枝をまず切ります。
徒長枝は下の写真のようにまっすぐに上に伸びた勢いのある枝で、一見切ってはいけないように思うのですが、栄養分を奪ってしまうため剪定します。
その他、枯れたような枝なども切ってスッキリさせます。
2020年、剪定後
剪定した年の春(2020年)、昨年の初開花の感動に続いて、今年も蕾をつけてくれました。
2020年の冬は暖冬で、2月に入ってやっと冬らしくなってきたかと思ったら、春を感じさせてくれる梅のつぼみが。
開花は近い?!
2020年、開花
昨年、初めて感動の開花を迎え、今年も花を咲かせてくれました。
やっぱり私は桜より梅が好きです。
まだ寒い時季に凛と咲く梅は美しい。
まだ花を咲かせて2年目の若造で幹も細いですが、これからたくさん実をつけてくれますよう、今年もミツバチさんがんばってください。
2021年、開花
2月上旬には蕾だった梅の花が、今年も花開きました。
さいごに
この記事では梅干しの作り方から、梅の木の育て方までいろいろと書かせていただきました。
正直、梅干しの種を植えたときにあんなに美しい梅の花が拝めるとは思ってもみませんでした。
種の生命力はすごい。
それはさておき、梅干しが簡単に作れることをわかっていただけたでしょうか。
梅干しはクエン酸などの有機酸が豊富という最高の食材だと思います。
毎日1粒で疲れ知らずの体になれますよ。
とても簡単に作れるのでぜひ。
次は、保存食ランキングです。
コメント
梅干しの赤じそ、あく抜きなしで入れるレシピは他にないのですが、灰汁を捨ててしまうのも確かに勿体ないのと、無駄な手間なような気もして、そのまま投入してみることにします!いろいろ参考になり感謝してます!ありがとうございます
はーい!
ありがとうございますm(_ _)m
ぜひ、頑張って〰️(ノ≧▽≦)ノ