クリスマスプレゼント

イルミネーション幸せになる生き方

クリスマスが近づいてくると、思い出すことがある。

師走の忙しい時期、仕事で連日終電に間に合うかどうかのたいへんな毎日を送っていた頃のこと。

ある日、終電を乗り過ごしてしまったことがあって、寒空の下、トボトボと近くの公園まで歩いた。

街中は華やかなイルミネーションで彩られ、公園とは対照的だった。

イルミネーション

公園には当時ホームレスのおじさんがいて、毎日野宿していた。

毎日通勤時に見かけるそのおじさんを、僕はあまり良い気がせず、横目に見て通りすぎていた。

僕が寒そうに公園のベンチに腰掛けていると、そのおじさんが寄ってきた。

そして、何かを差し出すのがわかった。

僕は驚いて、おじさんと差し出されたモノを交互に見た。

カイロ

差し出されたモノ、それはカイロだった。

びっくりした。

「さむそうやな」

そう声をかけてくれたおじさんは、僕にカイロを渡して去っていった。

僕はお礼すら言うことができなかった。

僕よりも毎日寒さに耐えなければならないおじさんが、他人の寒さの心配をしてくれた。

胸が熱くなった。

なんか、自分が情けなくて、自分中心に生きてきたこれまでの人生を、反省した。

今ではその公園にホームレスの人はいない。

生活保護制度の浸透などで、町の公園ではすっかり見なくなった。

でも、もしもう一度会うことができたら、あの時のお礼を言いたい。

そして、あの時の出来事が自分の人生の糧になっていることを伝えたい。

次も、冬の寒い頃、受験の思い出

受験の思い出、母への感謝
誰からも無謀だと言われた京大受験。高校2年からの2年間、趣味も娯楽も一切捨て受験勉強に励んだ。一生を懸けるつもりで臨んだ受験の結果は。そして苦労を掛けた母への感謝を綴ります。

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