杉パワーで地球温暖化を防ぐ、日本の森を蘇らせよう

杉地球環境問題

はじめに

花粉症の季節になると杉が厄介者扱いですが、花粉症の原因は花粉ではなく花粉に付着している化学物質です。

田舎の杉ばかりの集落に住んでいる人に花粉症の人が少なく、杉の全くない街中に住む人ほど花粉症の人が多いのは、自動車の排気ガスやダイオキシンなどの化学物質アレルギーが花粉症の正体だからです。

春は黄砂やPM2.5といった化学物質も飛散しますね。これらもアレルギーの原因となります。


花粉症の症状は、鼻水や涙を大量に出してそのような化学物質を排出しようとしているわけです。

春にワルモノ扱いされる杉ですが、ここでは杉のすばらしさを伝えたいと思います。

戦後の植林事業

日本の国土面積のうち、約7割は森林ですが、その森林の半分近くは杉(スギ)や檜(ヒノキ)の人工林で占められています。

なぜこれほど多くの杉や檜の人工林で溢れる国になってしまったのか。

その経緯を紐解きます。

因みに杉と檜の違いは以下の写真を参考に。

杉の葉はトゲトゲしく、檜は丸みがあります。

杉
スギ
檜
ヒノキ

①1950年「造林臨時措置法」制定

戦後の日本は太平洋戦争によって木材が軍需物資として使用され不足していました。

さらに戦争による空襲などで木造住宅が破壊され、大量の木材が必要とされていました。

そのような流れの中で政府は法律を制定し、杉や檜の植林を進めていったのです。

なぜ「杉」だったのかというと、杉は成長が早く40年程で成木となり広葉樹のように湾曲せずまっすぐ伸びるので、木材として住宅用などに利用しやすかったからです。

②植林事業その後

1950年代に植林された杉や檜は、20世紀末には伐採適齢期に入ったはずなのに伐採されて木材として使用されず今も多くが残っています。

それは、安い輸入木材などが原因で、林業自体の採算が合っていないからです。

現在でも田舎に行けば杉ばかりが目立っていますが、間伐もされず日光が入らないため細い杉が目立ちます。

杉ばかりの森は生態系や生物多様性の点でも死の森のような状態です。

③戦後の植林をしなかった町

私自身は戦後の植林事業は日本国土の生態系を壊した最悪の事業だったと思いますが、当時多くの市町村が植林事業を推し進める中で、そのような政策に乗らなかった町があります。

宮崎県綾町という町です。

現在は日本最大級の照葉樹林(かし、しい、たぶ、くす等、一年を通して緑の葉をつけている広葉樹)が存在し、有機農業を推進する魅力的な町になっています。

戦後の植林事業でことごとく消滅してしまった照葉樹林が、この町にはあるのです。

このような照葉樹林による生きた森が美しい水を生みだしています。

水源の森100選および綾川湧水群として名水100選にも選ばれる美しい自然が残っています。

このような町に住みたいと思う若者は多いだろうなぁ。


杉の特徴

杉は木の中でも最も古くからある種(だと思います)。

針葉樹で紅葉するわけでもなくシンプルな生体で、農作物でいえば「大豆」のような位置でしょうか。

屋久島の屋久杉は樹齢1000年を超えるものも多く、「縄文杉」と呼ばれる最大級の屋久杉は樹齢3000~4000年と言われていますね。

生命力がとても強く、そして注目すべき特徴は、木の中で最も二酸化炭素吸収能力が高いこと。

太古の昔、地球の二酸化炭素濃度が高かったころから存在しているとすれば、二酸化炭素吸収力が高いことも納得できます。

木の二酸化炭素吸収量の比較

杉は全ての木の中で二酸化炭素吸収量がトップです。

第二位は檜で、杉の次に生まれた種であると思われます。

グラフを見て分かるのは、二酸化炭素吸収力の高い杉でも樹齢が20年を超えるころからその能力が徐々に落ちて、樹齢60年を超えると広葉樹と同じ程度まで落ちてしまうということです。

つまり、現在日本各地に存在する植林杉は樹齢60年を超えていますので、二酸化炭素吸収能力はほとんどないと言えます。

さいごに

現在、国土の3割程を占める杉や檜の人工林は、老木が多く二酸化炭素吸収力の面からも役に立っていません。

なによりも森としての生態系を維持しておらず「死の森」になっています。

近年、大雨で土砂崩れなどが頻発していますが、これも人工林が原因です。

杉や檜は根が浅いため、簡単に地滑りが起こってしまうのです。

このような人工林を広葉樹に変え、生きた森に生まれ変わらせる事業が必要だと思います。

綾町にあるような照葉樹林は眺めているだけで癒されます。

人間は森なくしては生きていけません。

人間に必ず必要な「空気」と「水」は森の中で生まれるのですから。

次は、地球温暖化をもたらす温室効果ガスの話。

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