放置竹林問題
私の住む地域では放置竹林問題が深刻化している。
竹は繁殖力が非常に強く、数年もすれば山が竹に浸食されてしまう。
そうなると、もともと自生していた木は枯れてしまう。
森を守るためには竹を全て伐採するか、間伐してタケノコを収穫するための竹林域と森林域に分けてやらねばならない。
森林保護を掲げて放置竹林整備を始めて10年になる。
10年前、たまたま放置竹林が売りに出ていたのを見て、有り金全部はたいて購入した山。
最初は自己満足の域を出なかった活動が、一人でコツコツと進めていって10年かけてやっと一つの山が蘇った。
枯れた竹が何重にも重なり、足の踏み場もなかった状態から、タケノコが毎年収穫できる美しい竹林になった(写真上before、写真下after)。
この10年でいったいどれくらいの竹を切っただろう。たぶん万単位の数。
放置竹林を整備する中で目にしたのは、多くの栗の木が立ち枯れしている様子であった(最初の写真)。
おそらく、竹が水分を吸収して栗の木まで行きわたらず、枯れてしまったのだろう。
クヌギなどの広葉樹は案外生き続けているが栗の木は弱いのか。
日本の美しい森を守りたい
森は生物たちの生命線である。
人間にとって最も大切な空気や水を生んでくれる。
この10年間、さまざまな要因で森の生態系が壊されていることを実感してきた。
森林伐採、杉や檜の人工植林、原因不明のナラ枯れ、放置竹林問題、熊の絶滅危機、シカやイノシシの異常繁殖など、すでに日本の森の生態系はメチャクチャになってしまった。
日本は自然が豊かな国だったはず。
全て人間の経済活動が原因である。
森の生態系が維持されなくなると、綺麗な空気や水が生まれなくなり人間は生きていけない。
私のほそぼそとした活動が実を結び始めたことを実感しており、地域の山の再生という意味ではたった一人でも10年かければここまで意味があるものになると感じている。
しかし、全国的な問題として解決へ導くには、多くの人の意識が変わり、実際に行動に移さないと厳しい。
今は、一人でもコツコツと頑張るしかない。
次は、杉が地球温暖化を防ぐというお話。
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